悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
呆然とするゆきを見つめながら、黒胡は徐に立ち上がった。
「まあ、そういう事でね
結婚…おめでとう…」
「あ…ありがっ…」
黒胡は隙をついてゆきに触れるだけのキスをし、満足げな笑みを浮かべて式場を後にした。
えっえっ…今キスされ てっ…!?
「こんな時まで嫌な奴だ 琉希、ゆきはしばらく 俺とあの部屋にこもる 」
「わかりました」
「えっ…」
あの部屋…?
考える間を与えない様に、魁はゆきを抱きかかえ凄い勢いで飛び立った。
っ!?!?
「しっかり捕まっていろ 」
えぇーーっ!!
どこ行くのーーっ!?
魁は、必死にしがみつくゆきを愛おしそうに見つめながら急上昇した。
「着いたぞ…」
えっ…もう…?
ほんの一瞬の出来事に、ゆきは拍子抜けした様に閉じていた目を開いた。
着いた先はこじんまりとした部屋で、窓すら無く広いベッドが置いてあるだけだ。
「魁…この部屋…」
「ここは外部と内部の防 音対策をしている
ハネムーンには最高の 部屋だろう?」
「えっ…まさか…」
「この部屋なら、誰にも 邪魔されず…お前とゆ っくり楽しめる…」
やっぱり…
ヤる気満々な魁に、ゆきは観念した様に内心苦笑いした。
「あ…優しく…お願いし ます…」
媚薬が効いてきたのか な…身体が凄く熱いっ …
「この前みたいに無理矢 理はしない…
ただ…1日触れられな かった分、抑えがきか ないもしれない…」
いつもより色気を放ち、微かに息を乱す魁を見てゆきはハッとした。
「…もしかして…魁もあ のワイン飲んだの…? 」
「ああ
お前に飲ませるついで に…」
「そう…なんだっ…」
これは…無事じゃ済ま ないかも…
「ゆき…早くお前を抱き たい」
「あ……私も…魁が欲し い…」
私…凄い大胆なこと言 ってるっ…
こんなこと言えちゃう のは…やっぱり媚薬の せい…?
「ゆき…」
魁の綺麗過ぎる顔が近付き、焦らす様に唇が重ねられた…