悪魔と淫美な世界へ
第2章 ~可愛い?年下男子~
昼休みの屋上…
一定の距離を保ったまま、向かい合って立ち尽くすゆきと蒼空の姿があった。
「ゆき先輩から呼び出し なんて嬉しいな♪」
「…あのね…
この前の告白の返事‥ なんだけど‥‥
…蒼空とは付き合えな いかな…」
言えたっ!
「ゆき先輩…
おれの事嫌い?」
「えっ…
嫌いでは‥ないけど… 」
「じゃあ…あの人に何か 言われたの?」
「うっううん…
わたしが自分で――― 」
突然ギュッと力強く抱き締められ、ゆきは一瞬何が起きたのか分からず固まってしまった。
「そっ蒼空っ…!?」
「やだ…
ゆき先輩を諦めるなん て‥おれにはできない ‥‥」
「わっ‥わたしには魁が っ―――」
「関係ないよ!
こんなに‥好きになっ たのは…
ゆき先輩が初めてなん だ‥‥」
「蒼空…」
揺らいじゃ駄目っ…
グッと堪えるゆき…
蒼空は体を離し、訴えるかの様な切なく潤んだ瞳で見つめた。
「…ゆき…好きだ
愛してるっ‥‥」
「あ…」
その愛の言葉に、ゆきの胸は高鳴り全身が熱くなっていくのを感じた。
わたし…やっぱり蒼空 の事好きなんだ‥‥
胸がキュンっとしてっ ‥‥
「おれの事…
好き?嫌い?」
「…え…その‥‥」
『ゆき…』
ベッドで、魁が自分を求めてる姿が頭を過ぎりドクンっ!と胸が脈打った。
なんでこんな時に魁の 事っ…
あの‥わたしの名前を 何度も囁く甘い声が
耳に残って‥‥
「ゆき先輩?」
「あっ…わたしっ‥‥」
不意に唇が重ねられ、強引に舌が絡んできた。
っ!?
嫌っ!!
「んーっ…やっ!!」
力一杯蒼空の胸を突き飛ばし、蒼空は一歩後退りした。
「あっ…ごめんなさいっ ‥‥わたしっ…」
「おい
そこの人間…」
バサッと羽の音と聞き覚えのある官能的な声に、フェンスの方に視線を走らせると―――