悪魔と淫美な世界へ
第3章 ~淫乱美女姉妹~
「えっ…蒼空っ…?」
「ゆき…おれに抱かれて っ…」
蒼空の身体が覆い被さった瞬間‥突然部屋の窓ガラスが吹き飛ぶ様に割れた。
「きゃっ!」
「貴様、何をしてる」
聞き慣れた低く色っぽい声…
目の前には黒い羽を生やした魁の姿があり、その殺気に蒼空は密かに息を呑んだ。
「魁…」
「二度も俺のものに手を 出すとは
殺される覚悟は出来て いるな?」
「ゆき先輩は物じゃない っ!
そんな事言ってるから ゆき先輩はお前なんか に感じないんだっ!」
「っ…どういう意味だ」
魁はピクリと眉を寄せ、鋭い目つきで蒼空を睨みつけた。
「ゆき先輩の身体はおれ に反応してくれた
お前のせいで
ゆき先輩は悩んでたん だ!」
蒼空…
睨み合う魁と蒼空…
「フッ…
それで勝ったつもりか ?
ゆき…こっちに来い」
「あ…うん…」
ゆきは、乱されたYシャツを抑えながら魁の方へ近付き、差し伸べられた手を取った。
「ゆき先輩…」
「蒼空…
やっぱりわたしは魁の 事が‥‥」
「‥‥そう‥‥」
今にも泣き出しそうな蒼空に、ゆきは罪悪感で痛んだ胸を抑えた。
「失敗ね」
「もう少しだったのに… つまんないのっ」
ゆきを抱きかかえた魁が、窓から飛び立って行くのを遠くから見つめる美蘭と潤那…
「何であんなに
あの人間に入れ込むの かしら?」
「もしかして
好きになっちゃったと か?」
「私達悪魔が
人間なんか好きになる わけないじゃない
処女さえ奪っちゃえば すぐに飽きるわよ」
「そうだね
っていうか、見てて焦 れったいよね」
「そうね
あの2人に付き合って たらイライラしてお肌 に悪いし
魔界に戻っていい男で も探しに行きましょう ?」
「賛成♪
これ以上首突っ込んだ ら
魁に殺されちゃいそう だしね!(笑)」
美蘭と潤那は、呆れ気味に人間界を去って行った。