悪魔と淫美な世界へ
第4章 ~ 捧げる想い ~
「ねぇっ
あの人すっごくカッコ イイ!」
「モデルかな?」
カップルで賑わう遊園地…
辿り着いてそうそう、魁は周りにいた女の子達の視線を全て集めていた。
なんか‥有名人と歩い てるみたい…
「ゆきっ
彼氏、凄い注目されて るね!」
「う‥うん…」
「居なくならないように ちゃんと手繋いどいた 方がいいんじゃないっ ?」
「えっ…
もうっ、からかわない で」
頬を赤くするゆきを見た里香は、満足げな笑みを浮かべながら彼氏の元へ戻って行った。
…手を繋ぐかぁ…
そういえば‥魁と手繋 いだことなかった‥‥
「お前の友達、後は自由 行動と言い残して彼氏 と居なくなったぞ」
「えっ!?」
慌てて辺りを見渡すゆきだったが、もうすでに里香と彼氏の姿は何処にも無かった。
いつの間にっ…
どうしたらいいの…
「どうかしたか?」
「えっ?な‥なんでもな い…
…あの~…これからど うしよう…?」
「遊園地に来たんだ、乗 り物に乗るんだろう? 」
「う‥うん…そうだけど ‥‥」
「乗り物が嫌なら‥人気 の無い所に行くか?」
えっ…
低く色っぽい声が耳元で囁かれ‥ゆきの顔は一瞬にして真っ赤になった。
「のっ乗り物がいいっ」
「クスッ…行くぞ」
からかうような笑みを浮かべた後、魁は何気なくゆきの手を取り歩き出した。
えっ…
「何に乗る?」
「あっ…えーと‥‥とり あえずジェットコース ター」
「この遊園地には、絶叫 マシンが13個ある
どうせなら全部制覇す るのもいい」
「え…?」
嫌な予感しかしないん だけど‥‥
思わぬ魁の一言に、ゆきは後悔しながら人混みの中を歩いた。