悪魔と淫美な世界へ
第4章 ~ 捧げる想い ~
昼時の売店では、カップル達がイチャイチャしながら昼食を食べていた。
そんな中、ベンチに座っている魁とグッタリして元気のないゆきの姿があった。
さすがに‥絶叫マシン のはしごはきつい…
まだ少し目も回ってる し、ちょっと疲れちゃ った‥‥
「あの程度でもうダウン か?
俺が飛ぶよりずっと遅 いと思うが?」
「そうだけど…
魁はなんともないの? 」
「ああ
物足りないくらいだ」
「そ‥そう…」
魁は普段空飛んでるか ら慣れてるんだ…
ゆきは心の中で苦笑いした時、不意にお腹が鳴った。
そういえば、もうお昼 なんだ…
でも凄い混んでるし… ちょっと並ぶの辛いか も…
「疲れてるなら俺が買い に行ってやる」
「え…ありがとう…」
察したようにそう言うと、魁はカップルで賑わっている売店の方へ姿を消して行った。
こういうのいいかも… デートしてるって感じ がする‥‥
「あれ?ゆき先輩…?」
聞き覚えのある声に視線を走らせると、目の前に蒼空の姿があった。
「蒼空っ…」
「こんな所で逢うなんて 凄い偶然だねっ
もしかして‥悪魔の彼 氏とデート中…?」
「うん…蒼空も…?」
あんな事した後に‥凄 く気まずい…
「おれは兄貴と来たんだ けど、はぐれちゃって …」
「そっか…」
「ねぇ、ゆき先輩…
あの後‥ずっと考えて たんだけど…」
蒼空は、真剣な表情をしながらゆきの隣に座り‥また口を開いた―――