悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
下校時間…
学校を後にして行く生徒達の中に、独りで歩いているゆきの姿があった。
「ゆき」
っ!?
校門を過ぎようとした時、突然聞こえてきた低く色っぽい声にドキッとしながら視線を走らせた。
「魁っ
迎えに‥来てくれたの ?」
「ああ
早くお前に会いたかっ たから」
「えっ…」
さらっと恥ずかしい事 をっ…
「ゆき‥来い…」
そう耳元で囁かれ、ゆきの胸は高鳴り出し一瞬で顔が赤くなった。
今日こそ‥魁と‥‥
「‥‥うん」
ゆきは嬉しそうに差し出された手を取った。
その瞬間、いきなり引き寄せられ唇を重ねられた―――
っ!?
「今はこれくらいで我慢 しよう
昨日は邪魔が入って途 中だったからな
続きが楽しみだ…
お前に‥最上級の愛を ‥‥」
「あ…」
周りの視線を気にする余裕が無いほど、ゆきの心は魁に鷲掴みされ思わず魅入ってしまった。