テキストサイズ

悪魔と淫美な世界へ

第5章 ~魔界の王~

 
 
 
すでに風呂を済ませていたゆきは、バスローブ姿で城の中をウロウロしていた。
 
 
 
 どうしよう…
 魁がいる部屋‥どこか 分からなくなっちゃっ たっ‥‥
 
 お風呂場に戻った方が いいよね…
 
 
 
来た道を戻ろうと後ろを向いたその時、目の前に20代前半くらいのイケメンの姿があった。
 
 
 
「君は魁様が連れてきた …
 どうしたの?」
 
「あの…部屋が分からな くなっちゃって…」
 
 あ…カッコイイ人…
 
 
「ふ~ん‥迷子になっち ゃったんだ」
 
 
 
イケメンはニヤリと嫌な笑みを浮かべると、強引にゆきを壁に押し付けた。
 
 
 
 っ!?
 
「あの…」
 
「今まで魁様とヤりまく ってたんだよね?
 
 そんなに魁様が夢中に なる身体なら、オレも 試してみたいな」
 
「えっ…」
 
 
 
イケメンの手で紐が解かれ、ゆきは慌ててはだけそうになったバスローブを抑えた。
 
 
 
「ここじゃなんだし、オ レの部屋においでよ」 
「えっ遠慮します」
 
「なんで?」
 
「好きじゃない人とそう いう事は…」
 
「クスッ
 魁様の事好きなんだ? でも、魁様が好きなの は君の身体だよ」
 
「ちっ違っ…」
 
「オレ達悪魔が、人間を 本気で好きになるわけ ないじゃん」
 
 
 
さらりと言われた一言に、胸の奥がズキリと痛んだ。
 
 
 
 そんなの嘘っ
 だって魁は‥何度も愛 してるって…
 
 
「部屋に来ないなら‥こ こで犯しちゃうよ」
 
「誰をですか?」
 
 
 
突然聞こえてきた男の声に、イケメンは少し怯えた様子でゆきから離れた。
 
 
 
「琉希っ
 この子が迷ってたから 案内してたんだよっ」 
「そうには見えませんで したが?
 
 まあいいでしょう
 魁様には黙っておくの で、今後一切その人間 には近付かないように して下さい」
 
「あ、ああ‥わかった」 
 
 
イケメンは、琉希に怯えながら逃げる様にその場を去って行った。
 
 
 
 
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ