悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
「あの…ありがとうござ いました…」
「問題を起こされたら面 倒なので注意したまで です
ここでは、あなたは恰 好の餌なんです
それをよく覚えておい て下さい」
「はい…」
「魁様の寝室に案内しま す」
冷たい態度の琉希に苦手意識を持ちながら、ゆきはその後ろを着いて歩いた。
「あの…」
「なんですか?」
「その…わたしの事‥嫌 いですか…?」
「というか興味ありませ ん」
「あ…そう‥ですか…」
そんなはっきりと…
「ゆきっ」
向こうから歩いてくる魁の姿に、ゆきはホッとした様子で見つめた。
「魁様、人間を野放しに されては困ります
では、私は仕事がある ので失礼します」
琉希は魁に軽く一礼すると、さっさとどこかに行ってしまった。
「迎えに行っても居なか ったから探したぞ
何処にいたんだ?」
「部屋に戻ろうとしたら 迷っちゃって…
で、琉希さんが案内し てくれて」
「そうか
心配をかけた罰だ
部屋に戻ったら覚悟し ておけ」
えっ…
意味深な言葉と熱い眼差しに、ゆきはベッドでの映像が頭を過ぎり胸が高鳴りだした。
だが、ふとイケメンが言っていた言葉を思い出し胸の中がモヤっとする感覚に襲われた。