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ちょっとえっちな短篇集

第1章 コンプレックス

「あんな風に押さえた声も素敵。…興奮しちゃうわ」

笑うように細められていた目が薄く開き、
唇が耳まで裂けたかの様に薄く開かれる。
剥き出しの腕に鳥肌が立つのが見ないでも分かった。

どんな口紅を使っているのだろう
舌なめずりをする真っ赤な唇を肉厚の舌がなぞる様子は酷く淫猥で下品ですらあった。
ぬめぬめと光る唇を薄く開いてうっとりと笑う。

一歩、また一歩とこちらに歩いてくる。
狭い更衣室内だ、後ずさりをしたところですぐにロッカーに背中をぶつける。
ヒールがゴム張りの床をに立てる音をどこか他人事のように感じられた。

目の前に迫っている彼女の行動がわからない事には対応もできない。
きっとあまり良いことではないのだろうけれど。

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