テキストサイズ

ちょっとえっちな短篇集

第7章 君と永久就職

夢かー
オレの夢って何だろう
それにはまず夢とは何かを思い出さないと 

暫く考えてそんな単語ずっと使って無かった事だけ思い出した
だってオレは毎日を生きていくのに精一杯の苦学生なんだもんな。

「坂本、お前の夢ってあるのか、俺だけに教えてくれよ、親友だろ?」
親友だったのか?
って思ったけど笑う西原はすげー楽しそうだった。

けどオレは笑い返せなかった。

「オレバイトあるからまた明日な」

薄っぺらい鞄を掴んで逃げるように教室を出る。

西原がなんかいってたけど聞かないふりして。
だってバイトに遅れちゃうから。

一刻も早く忘れたかった。
忘れたい?何を?進路のこと自分の夢
勢い良く教室のドア開けて廊下を疾走すれば少しは気分も晴れるってもんで、
廊下の冷たい空気を胸一杯吸い込む。

息が白くなるような空気がもやもやしたもん消してくれるようだけど、
どこかちょっとだけ痛かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ