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ちょっとえっちな短篇集

第2章 絡みつく鎖

前も利用した事がある都内の高級ホテルに取られていた部屋でシャワーを浴びる。
もう一度スーツを着なおし化粧は念入りに直す。
今日の客は勤務中に彼に付いていた私を気に入ったらしい。

そう、私はこれからここで客と会うのだ。
客、と言ってもそこまで即物的な意味での客ではなくて取引先、
彼が社長を務め、私が所属する会社の取引先。
これは所謂接待なのだ。
客が他のものを要求すればそれを当てるが、今回は私だっただけの事。
私は会社の運営を円滑にするための駒のひとつ、
気にしていないし当然だと思っている。
これが初めてでもないのだし。
社長の指示で、私は体を売っている。

いや、もっと昔、
もう10年以上前に私は自分で自分の体を売ったのだ。

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