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ちょっとえっちな短篇集

第8章 きみじゃなきゃだめなの後

「あ、わりぃ…その、お前もう子供じゃねーのに…」

ってアートの声は上ずってて、
いつもの冷静で鈍感な彼じゃ全然なかった。

自分でしたことにびっくりしてるみたいで。
いてもたってもいられないって感じでソワソワしてるし

あ、よだれだらけの指ズボンで拭いてる。
わたしの顎にかけてる手もそのままだし、
その手がちょっと震えてるのが伝わってくる。
体温も高いみたい。

「ねぇ、手」
あ、わりっ!っ
てすばやく離してブンブン振って完全に挙動不審。
だけどわたしを見る目はギラギラしてて、
熱でもあるの?って視線で見つめられるとドキドキしちゃう。

だってこれだって変だもん。
いつものアートじゃ絶対ない。

赤面したり青くなってる彼を見上げる。

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