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ちょっとえっちな短篇集

第8章 きみじゃなきゃだめなの後

ねぇでもさ
これってそう言うことなんじゃないかな?
さっきの顔も今の顔も、
ごまかそうと思って全然ごまかせてないよ?
ねぇ?ねぇってば!

「あー違って、いやあのさ、お前がその、
すっげーガキみたいな顔してるから、俺はその兄としてだな」
じっとしてられない!
ってリビングでぐるぐると回りだす。

「ああ、そうだ兄だからだ…だってこいつはまだまだガキだし、
だからオレは兄として…」

たぶん、きっと、絶対これはそうだ。

わたし頭はそんなによくないけどカンはいいほうなんだよ、
でもこれはカンじゃなくって確信。

変な色のセーターの腕を引く。
ぎょっとした顔のアートの頬は真っ赤で、
全然いつもと違ってた。

特にぱっとした顔もしてないし、
背も高くないし、目ばっかり大きいし、
おじいちゃんみたいな変なセーター着てるけど。

でもやっぱり好きなの。

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