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ちょっとえっちな短篇集

第2章 絡みつく鎖

そう、この反応も全部あの人に教えられた。
何も知らなかった私の体を開いてすべてを教えたあの人、
私の体は彼によって作られている。彼の都合のいいように使われるために。

わたしを引き取った時彼にはもう結婚している奥さんや、妾と呼ばれる人がいて、
私なんかは彼の息子や娘の方がよっぽど年も近かった。
彼の奥さんにも妾にもなれないこともわかっていたし、子どもたちのように愛されることもない。
けれど約束したとおり学校に通う十分な資金の提供や様々な手配はしてくれた。
でも私は、彼の、愛情が欲しかったんだ。

今は面倒を見てくれているけれどもう必要ないと思われた時に困らないよう勉強した。
学問だけじゃない処世術や様々なことを学ぶ私を、
成長して1人で生きられるようになった今も彼は側においてくれたから間違ってなかったんだと思う。
体を求められるのも嬉しかった。
そういう約束、契約だったけれど、求められることで必要とされていると思えたから。

彼が求めてくれるならどんなことでも応えたい。
愛してなんて言わないから、邪魔にならない便利に使ってもらえる女になりたい。

こうやって知らない男に体を開くのも苦に思わない。
私がいて良かったって少しでも思ってくれたら、それでいいんだから。

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