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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

こいつよくここまで来たな。
なんて呆れながらぴったりひっついてる奴を見上げると
何?って尻尾でも振ってそうな顔で
笑いかけてきたから脛を蹴っ飛ばした。

なんだよその顔状況わかってるのか?

明かりの残る港町の倉庫の影に身を潜めて、深夜1時頃。
クソ寒くって息は白いし
港のべったりした風が不愉快で仕方ない。
雲が覆い隠すってこともなく月が煌々としてやがるのもまたなんだかなって感じで。

なんでこんな事をしてるんだか。
もうバールにでも行ってラム酒でも飲みたくて仕方ない。
どうせなら砂糖をいっぱい入れて。
そんで何もかも忘れて暖かいベッドで眠って明日はミサにでも行って。
今からだって普通のナターレに軌道修正間に合うっていうのに。

でも乗りかかった船だしその船を選んだのもアタシだし。

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