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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

あ、今気づきました。なんて顔してバカか。

名乗ってないし知り合ってまだ二時間くらいだって忘れたのか。
その間に弱みじゃなくってもっと別のもの握ったりしてるからそんな気しないんだけど。

手渡したメットを手持ち無沙汰にいじってから被って、

「でも、お前ならいいって思ったんだ、会ったばっかだけど。」

なんて眉毛をさげた嬉しそうな顔で言われたら覚悟決めるしかない。

「あー、そうだなありがとな」
照れ隠しに(このアタシが照れ隠しだ!)
頭なんて掻いてしまって。

アタシだってこんな遭遇したばっかのヤツに付き合って危ない目に合おう、
そんでもってこいつの実家にまでお邪魔してナターレ祝う気でいるんだから
相当にゴキゲンなんだけども。

ナターレの夜ってのは人をおかしくさせる魔力みたいなものがあるんじゃないか
なんて責任転嫁させてもらう。

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