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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

ベスパに乗ってナポリまで、
どうせならローマまで行っちまうか?

二人乗りのベスパじゃスピードだって出ないけど、
それでも夜の街を疾走するのは悪くない。

前に乗った男のメットから出た長めの金髪がパラパラとなびいて
バカみたいな白のロングコート
(サイズも合ってなけりゃ血しぶきのペイント付きのだ)

顔だけなら映画スターになれるだろって男の腰に手を回して、
なんだよすっごいナターレみたいじゃないか!

ランタンルージュなんか無視しちまえ!
クラクションなんか気にするな!

制限速度なんて無視してこのベスパで出せる最高速度で。

やっぱり寒くって頬は真っ赤になるくらい痛いけど悪くない。

悪くないどころか上出来だ!

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