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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

「オレがクソッタレのワルガキだった頃も
こうやって友達のベスパで夜道を駆けたもんだ!
そのたびにマンマが心配してね、
もう心配させないよって言うんだけどどうにもオレはダメみたいでな
気づいたらターラントまで来てたってわけさ」

「うるせーな!聞いてねーよ!」

自己紹介もまだだってのが気になってるのか
さっきっからしゃべりっぱなしだ。

風つよいんだから無理に喋らなくったっていいだろ、
それにそんなこと聞かなくったってこうやってりゃ分かり合えるだろ?

月は綺麗だし胸元に差し込んでたグラッパの瓶を煽れば気分も上々で、
このままシエナまで行ってもいいんじゃないか?

なんて思ってもそうはうまくいかないもので。


「おい、後ろから来てるぞ!あのバカみたいに赤いのお前のとこだろ!」
「本当か?うわ確実にそうだな、向こうも多分銃持ってるからな、気をつけろ」
「前見てろ!言われなくても気ぃつける!!」

腰に挟んでた借りもんのグロックを右手に構える。

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