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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

もう一度狙いを定めてトリガーに指をかける。

着いてくる真っ赤なスパイダーは随分近づいた。
運転席と助手席からなにか言ってるのがわかるけど
残念だったな、
こいつを握ったら余計なことなんか耳に入らなくなる性分なんだ。

残り10発以上はある。
腰に入れてる予備のマガジンを使うこともないだろう。
弾倉の入れ替えは得意だから万が一外しまくっても大したロスにはならない。

いや違うこれで決める!

冬の冷気、夜の風、前の男の体温、
そんなもんが全部消え去ってしまうアタシとこいつだけの世界。

当てる絶対に外さない

その思いを9mm弾に込めて。

トリガーを引いた。

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