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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

ナポリについたら明け方で、
朝までやってるバールでマルゲリータやラム酒を腹に入れて
アタシたちはものすごく上機嫌だった。

あとは始発を待ってシエナに行けばすべて良し。
なんてお気楽に考えて数々の問題を先送りにして
楽しい酒を飲んでたら奴の尻から携帯の電子音。
まぁそうだよなアタシが持ってないだけで今みんな持ってるもんな。

ちょっと失礼、なんて財布が入ってるのと逆からケータイを出してにこやかに出る
「アローごきげんいかがですか社長殿」

誰と話してるんだ?その口調は軽い。
表情も随分柔らかいから知った仲か。

「おかげさまで無事ナポリだ、もうじきにシエナにつくよ、
ああ、いいところだ、なによりカルチョが素晴らしい、
ああ、今シーズンこそな、ああ、助かった。じゃあスタジアムで」

そう言うとモバイルの通話を終わらせてしまう、

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