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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

ああ、頼もしいバーリの友人ができたとも言ってたな
だから何も心配いらないよ、オレは無事抜けられて家にまで追ってこないし、
お前も恐れることなんてないさ。

ついさっきまでの頼りなさそうな顔じゃなくて、以外と抜け目のない男の顔だった。

頭を優しくなでられてからベルデッキオで乾杯して。
ぶつけたグラスの音は騒がしすぎる店内ではまともに聞こえないはずだけど
アタシの耳にはやけにはっきりと聞こえた。

バールは朝方だってのに騒がしくって雑多なもんで淀んでて最低の環境だ。
それなのに悪くないなんて、
それどころかすげーいいんじゃないの?なんて思っちまって。

アタシの頭を撫でる手は大きくて優しいマンマの様な手だった。

注がれたベルデッキオはぬるいし
辛味が強すぎるしちっともいいものじゃなかったけど
この甘ったるい気持ちに酸味で刺激をくれる役割は果たしたんじゃないの?

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