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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

それからのアタシたちはというと平和そのもので、
始発でシエナに向かって、
オリーブの広がる農村地帯の一軒家に上がりこみ、
置かれていた魔法瓶に入ったチョコラータで体を温めて
うっかり盛り上がってバーチョなんか交わしてるところを
畑から戻ってきた奴のマンマから熱烈なアッブラッチョでもって歓迎されて

そのまま風呂に叩き込まれ
彼女の若い頃のだって奇麗なアービトを無理やり着せられただけじゃなく、
更に薄く化粧までされて一日遅れのミサに連れて行かれて。

ミサから戻ったら父親も含めて四人であったかい食事を囲んで、
これがまたとんでもなくうまかったんたけど。

食後にみんなでカッフェを飲みながら
テオの(そう呼ぶことをカーラに強要された(奴のマンマだこっちも有無を言わせず強要された))
子供の頃のアルバムなんか見てしまって
和やかに盛り上がりながらも日付変更前に就寝を言いつけられた。

なんというか、平和だけど凄い濃厚な一日だった。

今まで体験したことないもんな、こういう過ごし方。

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