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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

「ああ、まったくだな。
アンジェラんとこで色々あってボスのとこから飛び出して屋根の上のお前とあったのが昨日、
それから二人でバーリを出てきたのが今日だもんな」

こんなナターレになるなんて誰が思ったか、
昨日までのアタシは例年通り屋根の上で月を見て
マンマのことを考えていたんだし、
あそこでこいつと遭遇しなけりゃ
来年のナターレだってそうやって過ごしてた。

「なんでお前はオレに巻き込まれようと思ったわけ?」
「さぁね、暇だったからじゃない?」

なんでなのか自分でも気まぐれとしか答えられない。

うまくいったからいいようなものを失敗してたら
今頃アドリア海の魚の餌だったかもしれないんだ
そんなんなのにどうしてついて行ってしまったのかなんて分かるわけがない。

他の理由をあげるとしたらアタシの頭を撫でた手が
ちょっとマンマを思い出したってくらい。

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