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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

「オレはお前でよかったしお前がよかった」

ほらおいでって抱き寄せられるのに大人しく従ってやる。
ベッドに座ったテオに縋り付くみたいに抱きしめられて、
せっかくだし背中に手を回して。
体温が伝わる。
強い力で抱きしめられるのも悪くない。

立ってるアタシにはキラキラでサラサラな長めの金髪がよく見えて、
ああ、ほんとに月みたいだな
なんて思ってしまったけど本当にって何だよ、
前から思ってたって?笑っちまう。

「君が好きだよ、オレに会うのは運命だったんだ、屋根の上のバッボナターレじゃない、オレの天使」
「あーはいはいそう言うのいいから」

挨拶代わりの口説き文句なんて興味ないな、
そんなのよりもっと互いを理解できることしてきたばっかだろ?
あんな経験したらどんな言葉だって
味気なくって色あせて見える。

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