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ちょっとえっちな短篇集

第2章 絡みつく鎖

優しい微笑み、
だけどその口元はいささかつりあがりすぎていたし、
細くなった目は、微笑んでいるという表現ではなく、
歪んでいるという表現がぴったりだった。

「身に着けているものを脱いで、あちらのベッドに上がりなさい」

普段の優しい声色とは変わった、酷く冷たい声。
その声が私は好きだった。

あの時も、幼かった私にその体を提供しろと言った彼もひどく冷たい声をしていた。
取り繕われた乱れのない優しい彼も好きだけれど、
私は冷酷な彼の声に支配されて従う。
それが彼本来の姿だから。

使われてないピンとシーツのはったベッドに向かい、
私は羽織っていたバスローブを紐解いた。

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