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ちょっとえっちな短篇集

第10章 魔法少女29歳

山中さんがゆっくり私の方へ近寄る。

下がじゅうたんだから音がしないけど
ドラマだったらコツ…コツ…って音がしそうなゆっくり具合。

私の横を過ぎて、私の後ろで止まる。

体が触れそうなくらい近くにいるのが分かる。
すごい存在感。

…これは怖いよね…

まさかクビ宣言って言っても
実際に首切られるなんてないよね…
ってバカなこと考えたくらいドキドキする。

「長沢さん…僕は君のことが気になるんだ」

だけど想像を裏切って
甘ったるい毒みたいなささやき声。

それからそっと肩に手が置かれた。

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