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ちょっとえっちな短篇集

第13章 しのぶれど

火の気のない台所に向かい
水がめに手を伸ばそうとして気がついた。

「そこにいる女出てこい!」

物陰に隠れてはいたが気配で分かった。

大きな竈の間、
一人の女の気配がある。

「出てこなければ切るぞ…」

どちらにしても見られてしまったのなら
殺すよりほかないのだが

震える体で窯の間から這うようにして
出てきた女は飯炊き女なのだろう

汚れた着物だが
明りのない闇でも美しいのがわかった。

おそらく
飯炊きのためだけにいるのではあるまい。

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