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ちょっとえっちな短篇集

第13章 しのぶれど

「俺もまだ若いということか」

自嘲めいた口ぶりだが
その表情は愉悦に歪んでおり

見えはしないが
それが伝わっているのだろう

男の下で女はさらに身を小さくした。

生ぬるく、風もない夜

土間の床は僅かに温度が低く思えた。

着物ははだけられ
腰巻もはぎ取られて
女の白い肌を隠すものはほぼなかった。

美しい女だ。

こんな城に勿体無い程の

離れたところにある行燈の明かりが
ゆらゆらと照らしだすその体は
男をうならせるには充分であった。

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