テキストサイズ

ちょっとえっちな短篇集

第13章 しのぶれど

「べらべらとしゃべる事は咎められているのだが
お前はどうせもうすぐ死ぬからな」

ひとまとめにしていた髪を下ろし
中にひそませていた小型の刃物が
己を狙っていることを
男はしっかりと理解した。

「お前は不用意にしゃべり過ぎだ、
そのくせ仕事も有能ではない、
このままだといずれ味方に害をなすと判断されたのだよ」

先ほどまでの乱れようは演技だったのだろうか

頼りなさげな様子とは正反対の
研ぎ澄まされた美貌はその実力を感じさせた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ