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ちょっとえっちな短篇集

第14章 王子様は目覚めない

「そんな事おっしゃらないでください、
悠一郎様はお美しいのですから」

本当です。

童話の解釈に熱くなったのか、
高揚した頬はばら色で
蜂蜜を溶かしたような髪はすべらかで
柔らかいのです。

悠一郎様は大変お美しいのです。

ただ、
その視力を失ってしまっているのです。

己が美しいことも信じられず
傷ついた自分は醜いと、
そう信じておられるのです。

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