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ちょっとえっちな短篇集

第3章 DIVE

「信じられねぇ…」
「…だからトイレ行きたいって言ってたじゃん…」

光の部屋までの道をだらだら歩く、
あれからぼんやりと放心していたせいで空は白み始めていた。
誰かに見つかるまでに帰らないと。

身を離していたおかげで被害が足元のみの淳一と違い
光は下着をつけていない。

「いやでもトイレでよかったと思おう、道端でしたら変態だけどトイレなら問題ないもん!ね!」
「ね!じゃねーよ…ふざけんなよ…」

そのトイレで性交に励んでいたのだから
十分に変態だと思うのだけど、それよりも、

「お前、他の男とやるときもあんななんのかよ」

今までは気にならない、
気にしなかったほかの男の影が、
今日はやけに気にかかる。

一歩先を歩いていた光が振り返る。

「え?何で?他の男とトイレでなんてしないしあんな感じないよ?」

意外、というようなへらっとした表情、
それが真剣な物に変わる。

薄い唇が開かれる。

「私をイかせるのは淳一だけ」

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