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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 啼かない鳥は孤独だ。たとえ豪奢な鳥籠に入れられ、贅沢な餌をついばみ大切に世話されていても、本当に生きる歓びや歌いさえずることの楽しさを知らない。籠の中の美しい鳥には自由に大空を飛翔することは許されないのだ。それは一生涯、異国の後宮という鳥籠に閉じ込められて過ごす桃華の境涯にも似ている。

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