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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

「陛下に我が父が献上した極楽鳥を憶えておいでにございますか」
 桃華はか細い声で言った。
 彩鳳が眼を瞠る。
 桃華は淡々と続けた。あまりにも哀しい時、人の心はどうやら麻痺してしまうらしい。今、桃華の心は哀しいほどに虚ろであった。

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