テキストサイズ

仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 美しく聡明であったと今に伝えられる淑麗は我が身とひきかえ、大人の女性であったに相違ない。桃華の蒼い眼に熱いものが滲んだ。その時、彩鳳の言葉が桃華の耳を打った。
「朕は最愛の妻を再び失うのが怖いのだよ」
「―?」
 桃華が愕きに眼を見開いて彩鳳を見ると、彩鳳は哀しげに微笑んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ