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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

淑麗を失って以来、私もう二度とあのような哀しみを味わいたくないと、ひたすら誰かを愛することを怖れてきた。だが、朕はそなたにめぐり逢い、ひとめでそなたに魅せられた。だからこそ、朕はそちに娘として接すると言ったのだ」
 彩鳳が自分に魅せられていた―、それは思いもかけない言葉であった。その時、桃華の視界の片隅に頭上の白い花が映じた。

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