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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 そのいつもにも増して深い声は、決然としたものに満ちていて、桃華の心の奥底にまで届いた。
 今、桃華はあれほど恋い焦がれたひとの腕の中にいた。
 やわらかな風が優しく二人の側を吹き抜けてゆく。リーラの花が二人を見守るように白い清楚な花を凛と咲かせていた。

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