テキストサイズ

仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 現在、三国の間には表面的には和平が保たれているものの、ひとたび戦が起これば、砂漠の猛者とその勇猛果敢さで畏怖されている揚の兵士たちに超や羅の兵士たちは太刀打ちもできないだろう。
「親父さん、この香水はリーラの花から採ったものだと先刻言っていたが」
 男がふいに露店の主に訊ねた。主は浅黒い顔に如才のない笑みを浮かべ、愛想良く応える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ