テキストサイズ

仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第1章 第一話 砂漠の花

 仙王の魅惑的な瞳が揺れ、美芳の眼を射る。まるで美しき魔に魂を吸い取られるようだ―、美芳はそう感じ、思わず眩暈(めまい)を起こしそうになった。その刹那、美芳の瞼に家の奧で寝台に横たわる母の蒼ざめた顔が浮かぶ。母の存在を思い出した瞬間、美芳は咄嗟に仙王の瞳の呪縛から我が身を解き放つことに成功した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ