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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 仙王は、しみじみと頷いた。
「そんな心優しく聡明なそなたゆえ、我が妻とし共に長い刻を過ごしてゆきたかったのだが、良い、母の待つ人界へと疾く帰るがいい」
仙王が呟いたかと思ったその瞬間、美芳はふうっと意識が遠のくのを感じた。
 再び気がついた時、美芳は緑の樹々に囲まれた川のほとりに倒れていた。

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