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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

―私、一体どうしたのかしら。
 病の床にある母のために、昆論山の頂上まで宝寿草を採りにきて、父の形見だというペンダントを川に落としてしまった。それから、ペンダントを拾おうとして、自分まで誤って川に墜落したのだ。―そこまでは記憶している。
 長い夢を見ていたような、あるいは、長い旅から帰ってきたような気がする。
 夢の中で、美芳は美しい仙界の王と出逢った。光り輝く水晶の宮殿で彼の王と過ごしたひとときは、幻だったのだろうか。

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