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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 夜は深く、藍を溶き流した空には白銀に輝く三日月が浮かび、幾千もの星々が瞬いている。
 透明な月明かりに照らし出された妻は想像以上に幼く、まだ十四、五歳に見えた。
 だが、男たちの視線を釘付けにしたのは、妻の若さではなく、そのあまりの美しさであった。

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