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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 いかなる経緯で少女が超の国の人間である良人と結ばれたかは判らないが、いかにも高貴な生まれ育ちらしい上品さを身につけた少女と良人の取り合わせはやはり夫婦というには不自然すぎた。
 隊長が炎を囲むように蹲る男たちにそっと眼配せしたのを、良人は見逃さなかった。
 しかし、良人が動くよりも、男たちの動きの方がわずかに早かった。しかも、いくら武芸に秀でた良人とはいえ、多勢に無勢である。勝敗は端(はな)から明白であった。

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