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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

「―盗賊か」
 リーラの樹に繋がれた良人が呟いた。国から国へと渡り歩く盗賊団の一味は死の砂漠をも怖れず、何ものともせず自在に行き来する。「砂漠の鷹」と呼ばれる大盗賊団の一味の首領の存在を良人も以前、耳にしたことがあった。そして、彼(か)の男は右頬に鋭い疵痕を持っているのだとも。

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