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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 やがて、砂漠を吹き抜ける風が砂塵を巻き上げ、薄幸な二人の恋人たちの上に降り積もる。砂は果てしないほどの長い刻(とき)の流れと共に二人の亡骸の上に降り積もり、二人の姿をことごとく隠し去った。
 その一千年後、広大な砂漠で二体のミイラが発見された。寄り添い合うように膨大な砂の中で永遠(とわ)の眠りについた二人が何を想っているかは誰も知らない。ただ、砂の中深くに埋もれた哀しい恋の物語があるのみ―。

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