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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第7章 恋紫陽花 参

 亭主や倅を失っても、現金なもので腹は空くし、飯を食べねば生きてはゆけない。生きてゆくためには、働かねばならないしで、お民は口入れ屋に行って、仕事を紹介して貰った。美空のように仕立物ができれば良いのだけれど、生憎と、お民は不器用で針仕事なんてできない。何か自分にもできるものがあればと探して貰った結果、紙の花を作る仕事を紹介されたのだ。

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