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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第9章 花いかだ 其の弐

「あの時、祈っていたのは弥助さんとのことですよ。あたしはもう死にそうなくらい毎日逢いたいって、そればかり考えてるのに、肝心の弥助さんときたらつれなくて、一向に顔を見せて下さらないんだもの。これはもう神頼みでもするしかないと一念発起したんじゃありませんか」
 と、少し恨みがましい物言いである。
「お前、俺の気持を知ってて、わざとはぐらかしたな」

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