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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第12章 山茶花~さざんか~ 其の弐 

「姐さんのような良い女をモノにしてる男が羨ましいねえ。だが、姐さんよ、本当にそんな亭主がいるのかえ」
 男に突如として手首を強い力で掴まれ、引き寄せられる。
「申し訳ねえが、俺は逃げられれば逃げられるほど、燃え上がる質なんだ。夜鷹なんざァ、金さえ握らせとけば、何でもしたいようにさせてくれるって相場が決まってるもんだが、随分とお高く止まってるじゃねええか、ええ?」

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