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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第13章 山茶花~さざんか~ 其の参  

「おっかさんの名前は?」
「千汐」
 やはり、間違いない。子どもの顔かたちは何とはなしに千汐に似ているようでもあり、自分に似ているようでもある。
 まさか六年ぶりに女に逢いにきて、我が子にまで対面できるとは想像だにしていなかった。

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