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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第13章 山茶花~さざんか~ 其の参  

 千汐を迎えにくると約束しながら、その直後に病に倒れ、身動きもままならぬ状態が続いていた。一年後には左半身と右上半身は何とか動くようになったものの、残りはまだ麻痺したままだったのだ。一人で床に身を起こすのがやっとという有り様がまさか数年も続くことになるとは、当の曽太郞さえ考えてもいなかった。

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