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紫陽花(オルテンシア)~檻の中の花嫁~

第3章 炎と情熱の章③

「誰でも最初は怖いのは同じだ。俺が優しく手取脚取りすべて教えてやろう。たとえ初めてだろうが、何度でも絶頂に導いてやるから、安心して身を委ねるが良い」
 晃司は、更に美月を言葉で嬲ろうとする。
 美月は聞いていられず、思わず顔を伏せた。
 それでもなお震える美月のつややかな黒髪を優しく手で梳きながら、晃司はひときわ艶やかに微笑みかける。
「怖がらなくて良い。気持ちよくしてやるだけだ」
 晃司はそう言うと、美月の上に覆い被さってきた。

「うっ、ぁああっ」
 なまめかしい喘ぎ声を上げる美月を、晃司が満ち足りた表情を浮かべて眺めている。
 連れ込まれた温泉宿の一室で初めて晃司に抱かれたその日から、既に三日が経過していた。
 その間中、美月は閨に閉じ込められ、男に陵辱の限りを尽くされてきた。
 美月は、晃司の上に大きく脚を開かされて跨らされている。晃司が下から烈しく突き上げる度に、美月のか細い身体がのけ反り、風に揺れる柳の枝のようにやわらかくしなった。
 美月が達するのとほぼ同時に、晃司も己れの精のすべてを美月の奥深くに注ぎ込む。
 まだ忘我の淵から還ってはこぬ美月に、晃司が命ずる。
「うつ伏せだ、美月」
 美月がゆるゆると顔を上げる。
 晃司はもう一度、ぞんざいに同じ命を繰り返した。
「うつ伏せになれ、美月」
 度重なる荒淫の余韻で潤んでいた美月の瞳に、新たな涙が盛り上がる。
「もう、いや、こんなのはいや―。お願いだから、もう許して、止めて」
 延々と際限なく与えられ続ける快楽地獄から良い加減に解き放たれたい。
 今の美月の願いは、ただそれ一つだった。泣きじゃくる美月を横抱きにした晃司は、あたかもまな板の上に乗った魚を引っ繰り返すように容易くうつ伏せにした。
 背後に回った男は、褥の上に腹這いになった美月の腰を掬い取り、自分の方にぐっと引き寄せる。何をされるのかと怯える美月の白くやわらかな双丘を宥めるように撫でてから、既に猛り狂った彼自身の先端を美月の花芯に当てた。

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